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4月11日に公開されるウディ・アレン監督の新作映画『マジック・イン・ムーンライト』 は、南フランスを舞台に現実主義者のマジシャンと、霊と交信ができるちょっと怪しい占い師のロマンティックコメディ。
主演を務めるのは、イギリス人紳士といえば必ず名前のあがるコリン・ファレルと、若い女性からの絶大なる支持を誇るエマ・ストーン。昨年、ケイト・ブランシェットが見事アカデミー主演女優賞を獲得した名作『ブルー・ジャスミン』の次の作品とあって大注目されています。また、南フランスの美しい都市プロヴァンスやコート・ダジュールなどが舞台だけあって、映画を見た後は南フランスへの旅行を計画したくなること間違いなしです!
監督のウディ・アレンって?
1960年代、スタンドアップコメディアンとして人気を得て、映画の世界へ。ウディ・アレンは監督、脚本、出演もこなす多才な人物です。彼の愛する生まれ故郷・ニューヨークを舞台とした作品を撮ることが多く、文化や人々の暮らしなどもウディの映画を見て楽しめる要素の1つ。ユダヤ系アメリカ人であることから、差別やコンプレックスなども混ぜながらも皮肉やコメディを取り入れる作品はとても評価が高いものばかりです。
しかし、ハリウッド嫌いとしても有名で、今までに24回ものアカデミー賞にノミネートされていますが、彼が授賞式に姿をみせたのは2002年アメリカ同時多発テロの犠牲者への追悼企画での一度きり。今年で79歳と高齢ながらもほぼ毎年新作を撮り続けています。
実は、こんなにも長く監督としての経歴がありながらもヨーロッパを舞台に映画を撮り始めたのは2005年の「マッチ・ポイント」から。愛するニューヨークを撮り続けた監督がヨーロッパに渡り、撮り始めた映画はどれもその都市を美しく映像に残していて気分だけでも世界旅行が出来そうなほど。
そこで、今回はニューヨークも含め見ていてロケ地巡りの旅に出たくなるウディ・アレン作品6つをご紹介します!
1. 『それでも恋するバルセロナ』 (2008年 - バルセロナ・スペイン)
アメリカからバルセロナを訪れていた親友同士のヴィッキーとクリスティーナ。恋愛に関する考え方が全く違う二人なのにも関わらず、セクシーで不思議な魅力を持つスペイン人の画家に翻ろうされ、彼の元妻まで登場し不思議な四角関係へと発展…!
この作品でスペイン人女優のペネロペ・クルスは第81回アカデミー助演女優賞を受賞しています。もともと、脚本の時点ではサンフランシスコを舞台としていたのですが、情熱的なラブストーリーということからスペインへと変更。
地中海風の大きな家や開放的な雰囲気の町並みなど、アメリカ人の持つ情熱の国スペインへの憧れといった部分も垣間見ることが出来る作品です。ロケ地にはサグラダ・ファミリア、グエル公園やミロ博物館といったバルセロナを代表する観光地がたくさん登場します。
2. 『マッチ・ポイント』 (2005年 - ロンドン・イギリス)
「ウディ・アレンといえばニューヨーク!」という常識を変えることになったのがこちらの『マッチ・ポイント』です。
海を越えて舞台に選んだ場所はロンドン。テニスをきっかけに上流階級の家族とコネが出来たアイルランド出身の男性が恋人の兄の婚約者に惹かれてしまうことから起きるドロドロな不倫ドラマをサスペンス仕立てで描いた作品となっています。
ロイヤル・オペラハウスやウェストミンスター宮殿などのロンドンの名所が数多く登場するだけでなく、コックニーなどのイギリス各地のアクセントも聞くことができるため、英語学習にもぴったり。
3. 『ミッドナイト・イン・パリ』 (2011年 - パリ・フランス)
処女小説の執筆に行き詰まっている脚本家の男性が、裕福な婚約者の家族とともにパリを訪れそこで不思議な体験をするファンタジー作品。現代のパリと、伝説の芸術家たちの生きた1920年代を行き来するという不思議な設定ながらもウディ・アレンらしいユーモアを楽しめる傑作の1つとして高い評価を受けている作品でもあります。誰もが憧れる美しい都パリを舞台にした作品はたくさんありますが、ウディ・アレンが撮るだけでこんなにも魅力が倍増するとは。サンテティエンヌ・デュ・モン教会、アレクサンドル三世橋、ロダン美術館といった名所が登場します。
4. 『マンハッタン』 (1979年 - ニューヨーク・アメリカ)
40以上もの映画を撮ってきたウディ・アレン作品の中でも多くの人が最高傑作だと口にするのが、彼の愛するニューヨークを舞台にしたこちらの『マンハッタン』です。
身勝手でダメ男の主人公をウディ自身が演じます。決してモテそうな風貌ではないのですが、なぜかモテる42歳のTVプロデューサーが元妻や若い恋人、友人夫婦などを巻き込んで描かれた群像劇。冒頭のシーンから、ミッドタウンの摩天楼にクライスラービル、エンパイアステートビルが映し出されそのままニューヨークの名所が数多く登場します。
5. 『ローマでアモーレ』 (2012年 - ローマ・イタリア)
ローマを舞台に、観光客からそこに暮らす人々を4つのエピソードに分けオムニバス形式で描いたコメディ作品。
イタリア映画界といえば必ず名前の上がるロベルト・ベニーニまでもが登場しています。どのエピソードもとにかく笑えるのですが、特にオペラのシーンは一度見たら忘れられないことでしょう。ローマといえば世界でも屈指の観光都市として知られていますが、もちろん映画の中にも数々の有名な観光名所が登場します。ローマに訪れたことのない人は旅の予習に、既に訪れた人はこれを見て思い出に浸ってみてはいかがでしょうか。
6. 『ブルー・ジャスミン』 (2013年 - サンフランシスコ・アメリカ)
夫の不祥事と不倫で何もかも失ったジャスミンが唯一の親族のいるサンフランシスコへ生活の拠点を移すところからはじまります。
ニューヨークのお金持ちの中にいることを生きがいにしていた彼女にとって、庶民的な妹との生活は屈辱でしかありません。裕福な暮らしをしていた時のジャスミンと対照的な現在のサンフランシスコの生活が交互に語られていきます。サンフランシスコの中でも若者が集まる個性的なお店の多いミッションやヒッピー文化発祥の地であるヘイト&アシュベリーなどが映画の中で使われています。
以上、見終わったあとは旅に出たくなってしまうこと間違いなしのウディ・アレン6作品でした。旅行の計画を立てる際に、映画に登場するロケ地巡りをメインにしてみるのもオススメです! 人とはちょっと違った旅を味わえるのではないでしょうか。
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