Yoko
(更新)
“can” と “be able to”。どちらも「できる」という意味なのはよく知られていますよね。
「でも、ネイティブは使い分けているような気もするし…一体何が違うの?」と疑問に思ったことはありませんか? その疑問を一気に解決してしまいましょう! 今回は、“can” と “be able to” の使い方の違いを解説します。
現在形で「(人が)〜できる」という能力(ability)を表す場合には、“can” と “be able to” どちらも同じように使えます。
ただ、普段の会話では “be able to” はフォーマルな印象が強いので “can” を使うほうが断然多く、次に紹介する “can” が使えない場合に “be able to” を使う、というのが一般的な使い分け方となっています。
会話では “can” が断然多く使われるにもかかわらず、“be able to” しか使えないという場面もあります。
不定詞 to のうしろでは動詞の原形しか使えない、というルールがあります。“to can” という表現はないので、必ず “to be able to” になります。
助動詞(“will” “would” “should” “must” など)の後ろでも動詞の原形しか使えない、というルールがあります。これも “will can” とは言えないので、“will be able to” のようになります。
完了形を作る時には “have/had” の後ろに必ず動詞の過去分詞がくっつきます。“can” には過去分詞形がないので、ここでも “have/had been able to” しか使えません。
現在形で使う場合には、canのほうがカジュアルなものの、 “can” と “be able to” がどちらも同じ意味合いで使えると紹介しました。ただ、一般的に “can” が好んで使われる場合というのもあります。
モノが「〜できる」を表す場合には “be able to” ではなく “can” が好んで使われます。
受動態の場合にも “be able to” ではなく “can” が使われることが多いです。
現在形の能力「(人が)〜できる」を表す場合は同じように使える “can” と “be able to” も、過去形になると話は変わってきます。
実は、過去の「〜できた」を表すには “was/were able to” はどんな場面でも使うことができますが、“could” が使える場面はとても限られているんです。
そこで、“could” で「〜できた」を表すことができるのはどんな場合なのかを見てみましょう。
感覚を表す動詞 “see・hear・smell・taste・feel” を使って「過去に〜できた」を表す場合には “could” も “was/were able to” も両方とも使えます。
過去に「〜する能力があった」を表す場合にも “was/were able to” と “could” の両方が使えます。ポイントは一回だけの成功を表す「できた」ではなく、継続的にできた=能力があった場合にのみ “could” も使えるということです。
多くの人が間違えるのが、過去に「〜できた」という成功を表す場合に “could” を使ってしまうこと。実はこの場合には “was/were able to” しか使えません。
過去の「〜できた」は “could” が使える場面が限られていて少し複雑でしたが、過去形の否定形「〜できなかった」はとてもシンプルです。
“could” のルールにとらわれずに、どんな場面でも “couldn't” を使うことができます。もちろん “wasn't/weren't able to” も使えますが、口語では “couldn't” がよく使われます。
必ずbe able toを使う
→to不定詞の直後 I want to be able to speak French.
→助動詞の直後 You will be able to walk in about a month.
→完了形を作る場合 We haven’t been able to sleep well.
canが好まれる
→主語がモノの場合 This car can go as fast as 250 km/h.
→受動態の直前 These items can be shipped worldwide.
could, was/were able toどちらも使える
→感覚を表す動詞と一緒に使う場合 I could taste the lemon flavor.
→「〜できた」という過去の能力を表す場合 I could run faster when I was younger.
必ずwas/were able toを使う
→過去の一回限りの成功 We were able to use free Wifi at the airport.
couldn’tは全ての「〜できた」に使える!
最後に一つ、“can” にまつわるお話を。
海外の人に「日本語話せますか?」と尋ねる時に、 “Can you speak Japanese?” と聞いていませんか? 実は、こんな場合には “Do you speak Japanese?” と聞いたほうが失礼になりにくいのです。
「話せる=can speak」なのに、なんでダメなの?と思うかもしれませんが、“can” は「〜できる」という能力を表すので「(能力的に)できるの?どうなの?」といった直接的すぎる表現に聞こえてしまうことがあります。それに対して、“Do you speak Japanese?” は「日本語を話しますか?」という、習慣としてどうなのかを尋ねる質問になるので失礼にならないのです。
同じように「納豆食べられる?」も、能力に関わる内容ではないので “Can you eat natto?” ではなく “Do you eat natto?” にするとナチュラルに聞こえますよ!