“No thank you.” は使わない? 日常英会話で使える丁寧な断り方【4パターン】

英語で断る

あなたは英語で「丁寧に断る」ことができますか?

相手に失礼のないように断るのは日本語でも難しいことがありますが、それが母国語ではない英語となると、さらに難しく感じるかもしれません。

相手のことを思いやったり、相手の気持ちを大切にしたりする日本人なら、なおさら自分の使うフレーズで相手がどう感じるのか気になりますよね。

そこで今回は、日常生活のなかで想定される《断る場面》を4つのシチュエーション別にわけ、各シーンで使える丁寧な断り方のフレーズを例文つきでご紹介します!

1. 食べ物・飲み物を勧められたとき

最初のシチュエーションは、人から食べ物や飲み物を「いかが?」と勧められたときです。

そもそもどうやって勧められる?

断る表現を紹介する前に、まずは相手が何かを勧めてくるときのフレーズをおさらいしておきましょう。

  • Would you like some more coffee?
    「もう少しコーヒーいかがですか?」
  • Would you like sushi?
    「お寿司を召し上がりますか?」

意味的には “Do you want 〜?(〜が欲しい?)” と同じですが、食べ物や飲み物を人に勧める場合には、丁寧な “Would you like 〜?” が一般的によく使われます。

お礼の言葉を伝えてから断る

「いえ、結構です」と答える場合には、「“No, thank you.” と言いましょう」と教わった方も多いと思いますが、少しぶっきらぼうに聞こえてしまうこともあります。

その代わりとして、勧めてくれたことに対して “Thank you” お礼を言ってから「大丈夫です」「結構です」をつけ加えると、やわらかくて丁寧な印象を与えることができます。

  • Thank you but I'm fine.
  • Thank you but I'm good.

「ありがとう。でも結構です」

「そんなに好きではないんです」

もし嫌いなものを勧められた場合にも、“I don't like 〜” とダイレクトに言うよりも「そんなに好きではないんです」のようにやんわりと断ると丁寧な感じが出ますよね。

  • Thank you but I don't really like raw fish.
  • Thank you but I'm not a big fan of raw fish.
  • Thank you but I'm not crazy about raw fish.

「ありがとう。でも、生魚がそんなに好きではないんです」

他にも、海外のレストランやカフェで、オーダーの際にウェイトレスさんに飲み物を勧められたとき、うまく断れずに毎回何か頼んでしまう……という方はいませんか?

そんな場合にはこんなフレーズも役に立ちますよ。

  • I'm happy with water, thank you.
    「お水で結構です」
  • I'm driving.
    「車で来ているので(※ お酒を勧められたとき)」

2. 夕食やイベントに誘われたとき

次は、夕食や飲み会、BBQやその他のイベントに誘われたときの断り方です。すでに予定が入っていて誘いを断らなければいけないこともあれば、何となく行きたくないから断りたい場合もありますよね。

2-1. 夕食に誘われたとき

まずは夕食に誘われたシチュエーションを想定してみましょう。

  • Do you want to join us for dinner tonight?
    「今晩ごはんを食べに行くけど、一緒に来ない?」

誘いを断る場合には、なぜ行けないのかという理由を言うことが大切です。本当のことでも、そうでなくても、断る理由として「予定があるんだ」は最も効果的ですよね。

その際にも、ひとこと “(I'm) sorry” をつけるだけでやわらかい印象になります。

  • I'm sorry I can't. I already have plans.
    「ごめんね。今晩は予定があって行けないんだ」

もう一つ、やわらかく断る場合によく使われるものとして、“I'm afraid(残念ながら)” というフレーズがあります。

  • I'm afraid I can't. I'm having dinner with my girlfriend tonight.
    「残念ながら行けないんだ。今夜は彼女と食事なんだ」

「行けたらいいんだけど……」という前置きも、丁寧に断る表現としてとてもよく使われます。

  • I wish I could, but I still have a lot to do.
    「行きたいんだけど、今日はまだやらなきゃいけないことがたくさんあるんだ」
  • I’d(=I would) love to, but I’m busy tonight.
    「行きたいんだけど、今晩はちょっと忙しいんだ」

2-2. カラオケに誘われたとき

別のシチュエーションでカラオケに誘われた場面を想定してみましょう。 カラオケがあまり好きではなく、断りたいなんてことありますよね。

その場合、もちろん “I don't like karaoke.” と断ることもできますが、ほんの少し変えるだけで丁寧な言い回しにすることができます。

  • I think I'll pass this time. Thank you.
    「今回はやめておこうかな。ありがとう」
  • Thank you but I'm not into karaoke.
    「ありがとう。でも、カラオケはあんまり好きじゃないんだよ」

ここでも丁寧な印象を与えるためには、やはり “Thank you” のひとことが欠かせません。超がつくほど基本的なフレーズですが、自然に口をついて出てくるように普段から意識して使いたいですね。

また、「今回は行けないけど、また次回」という断り方も紹介しておきましょう。

  • If you don't mind I'll take a rain check on that. I already have plans tonight.
    「今夜は予定があるので、今回は遠慮するよ。よければ、また次回ね」

“take a rain check” は、もともとは雨のために試合が延期された場合の雨天順延券のことを指していましたが、 日常会話では「今回は行けないけど、別の機会に」といった丁寧に断るフレーズとして使われています。なかなか粋ですね。

“take a rain check” は社交辞令ではなく本当に「今回はダメだけど後日なら」というニュアンスを含んでいるのに対して、社交辞令で「また今度ね」と言うこともありますよね。

少しカジュアルな断り方ですが、そんな場合によく使われるフレーズも紹介しておきましょう。

  • Maybe next time. Not today/tonight/this time.
  • Perhaps next time.

「また今度ね」

3. 頼みごとを断るとき

何か頼みごとをされたときに丁寧に断ることって、特に難しいですよね。

でも、できないことを引き受けて後で迷惑をかけるよりも、できないことはできないと最初に断るのがお互いにとって得策です。

その場合にも、ただ “No” と答えるのではなく、できない理由をきちんとつけ加えたり、ちょっとした言葉の選び方に気をつけたりするだけで、相手に与える印象が変わります。

実際には、何かを頼まれて断る場合には “No” という言葉を使わずに表現することも多いんです。

まずは「(できなくて)ごめんね」「残念だけど…」という気持ちを “No” を使わずに表してみましょう。

A: Can you come to my office now?
「今オフィスに来れる?」

B: I'm sorry, I'm busy right now.
「ごめんね。今はちょっと忙しいんだ」

A: Do you mind watching over my bag?
「ちょっと私のカバンを見ててもらえませんか?」

B: I'm sorry but I really have to go now.
「ごめんなさい。もう行かなくちゃいけないんです」

また、“I wish I could” を使うと “No” と言わずに丁寧に断ることができます。

A: Can you get this done by tomorrow?
「これ、明日までにできる?」

B: I wish I could, but I have lots of other things to do.
「できたらいいんだけど、他にやることがたくさんあるんだ」

4. 商品を買うことを断るとき

海外に行くと、日本では売っていないような洋服がたくさんあって、あれもこれも欲しくなってしまう経験をしたことはありませんか?

でも、いざ試着してみるとサイズが合わなかったり、自分には似合わなかったり。「買うのやめておこうかな……」と思っているときに限って、店員さんに “How was it?(どうでしたか?)” なんて聞かれることありますよね。

そんなときのために「やっぱりやめておきます」と断る英語も紹介しておきましょう。
意外とすんなり出てきにくい言い回しですが、ここでも “No” を使わない、こんなフレーズが一般的によく使われます。

  • I think I'll leave it.
    「やめておきます」「(商品を)買わないでおきます」

自分にはイマイチ合っていないと思った場合には、商品自体は褒めておきながら断る、というこんなフレーズも使えますよ。

  • I really like it but it didn't fit.
    「商品はすごく気に入ったんだけど、サイズが合わなかったんです」
  • I love the color but I didn't like it on me.
    「色は好きなんだけど、私には似合いませんでした」

さいごに

日常生活で使える丁寧に断る英語表現、いかがでしたか?

シチュエーションごとに言い回しの違いは少しずつあるものの、共通して言えるのは、ダイレクトに “No” という表現を使わないことが丁寧に断るときのポイントだということ。

また、ちょっとしたことですが、“Sorry” “Thank you (but …)” というフレーズこそが実は大事なのです。これらを上手に織り込んでいくと、一歩下がったところから丁寧に感じよく断ることができますね。

これまで “No” と言えずに断るのが苦手だった方も、今回紹介したフレーズをぜひ会話で活かしてみてください。

【えっと、それ英語でなんて言うんだっけ……?】