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アイルランドに由来する英語表現とアイリッシュ・スラング13選

アイルランドに由来する英語表現とアイリッシュ・スラング13選

アイルランドといえば、ビールや緑色のクローバーなどを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか?

アイルランドは、北西ヨーロッパに位置する島国。北アイルランドはイギリスの一部ですが、首都のダブリンなどが位置する部分は独立国で、正式名称は「アイルランド共和国」です。

公用語は「アイルランド・ゲール語(英語で Gaelic)」と言いますが、第2公用語はなんと、「英語」なんですよ!

そこで今回は、アイルランドの言語に由来する英語表現や、アイルランド人が使う英語スラング13選をご紹介したいと思います。

アイルランドを連想させるシンボル

アイルランドのシンボル

まずは、アイルランドのイメージが少しでも沸くように、「アイルランドといえばこれ!」というものを見ていきましょう。

アイルランドを象徴するものは多いですが、そのなかでもよく見かけるシンボルを選んでみました。

  • Shamrock(シャムロック):アイルランドの国花。クローバー。
  • Leprechaun(レプラコーン):緑色の妖精。「エルフ」のような小人。
  • Pot of gold(ポット・オブ・ゴールド):黄金入りの壺(つぼ)。
  • Horseshoe(ホースシュー):幸運を表す「馬蹄(ばてい)」。
  • Harp(ハープ):ギネスビールのボトルにも描かれている弦楽器。
  • Celtic cross(ケルティック・クロス):ケルト十字。
  • Clay pipe(クレイ・パイプ):ゲール語では「duidin」と呼ばれる、タバコ用のパイプ。

アイリッシュに由来する英単語

アイルランドの女性

なんとなくアイルランドのイメージがわかってきたところで、次はアイルランドの言語(アイリッシュ)を語源とした英語表現8選をご紹介したいと思います!

boycott|ボイコット

「ボイコット」という言葉は、日本でも使うことがありますよね。実は、これは人の名前に由来しているのです!

19世紀後半のアイルランドで、土地管理人として働いていたCharles Boycott(チャールズ・ボイコット)という英国人大尉の悪政に対して、peasants(小作人)が権利を求め、組織的に絶好を行ったことが「ボイコット」という言葉の由来。

それ以来、ボイコットは「ある特定の組織や人物との取引を拒絶したり、抗議をする」という意味で使われるようになりました。

Most people are boycotting the local supermarket, due to its unfair treatment of workers.
「多くの人々は、労働者に対する不当な扱いを理由に、地元のスーパーマーケットをボイコットしています」

clock|クロック

もともとはケルト語の clocc という言葉からきていて、今では「時計」という意味で使われる clock は、アイルランドの宣教師が使用していたハンドベル(*1)に由来しています。

ちなみに、みなさんが何気なく使う o’clock という表現は、of the clock という意味なんですよ!

I spend every day at work staring at the clock.
「仕事では毎日、時計とにらめっこの日々です」

*1... ハンドベルとは、17世紀ごろのイギリスで生まれた楽器。キリスト教の教会の人が、チャーチ・ベル(教会に吊るされた大きな鐘)の技巧練習をするために作ったそうです。ハンドルを振ることによって音が鳴ります。

dig|ディグ

「掘る」という意味の dig ではなくて、スラングで使われる「気に入ってる」や「好き」を表す dig は、アイリッシュに由来しているそうです!

アイルランドの言葉で tuig というものがあり、これは「理解する」という意味。これがのちに dig に変わっていき、今では英語で日常的に使われるようになっています。

I dig this tune.
「この曲、気に入った」

galore|ガロール

Galore という言葉を聞いたことがありますか?

この単語は、アイリッシュの go leór という表現に由来していて、「豊富・大量にある」という意味です。

The buffet had tasty desserts galore.
「ビュッフェには美味しいデザートがたくさんありました」

slew|スルー

英語では「多数の」という意味で使われる slew は、アイリッシュの sluagh という単語からきています。

The bar I went to had a slew of different beers from Ireland.
「私が行ったバーには、アイルランドのさまざまなビールが並んでいました」

gob|ゴブ

主にアイルランドやイギリスで「口」という意味で使われる英語です。語源はゲール語の同じ言葉で、「」のほかに「くちばし」を表すそう。

ちなみに、gobstopper(ゴブストッパー)という、イギリス発祥の巨大な丸いキャンディーがあり、直径1cmから8cmまでのものがあります。

アメリカでは gob という言葉にはあまり馴染みがないため、代わりに jawbreaker(ジョーブレイカー=顎を壊すもの)と呼ばれることが多いです。

このキャンディーが作られている過程を撮影した動画もあるので、気になる方はぜひ見てみてくださいね!

phoney|フォウニー

Phony(アメリカ英語)または phoney(イギリス英語) は「インチキ」や「偽物」というニュアンスで使われる英語です。そして、元々は「fawney」という単語からきているそう。

Fawney とは、詐欺師が使う金色の黄銅の指輪のことで、この言葉の由来はなんとアイルランドで指輪を意味する fainne という言葉だと言われています。

The salesman sounded so phoney.
「営業マンがとても嘘っぽく聞こえた」

slogan|スローガン

Slogan という言葉は、ゲール語の「sluagh-ghairm」に由来しています。

この言葉は、スコットランドのハイランド地方やアイルランドの氏族が戦いの際に使っていた「鬨(とき)の声」または「喊声(かんせい)*」なんだそう。英語でいうと「battle cry」になります。

*喊声(かんせい):戦いなどで突撃するときにあげる声のこと

これにちなんで、スローガンは今では「政党や運動などの団体に関連する標語」を意味する言葉として使われていますね。

Some companies are known for their catchy slogans.
「キャッチーなスローガンで知られている会社もあります」

知っておきたいアイリッシュスラング

ギネスビール

続いて、アイルランドの人たちが使う英語スラングを5つご紹介したいと思います!

black stuff|ブラック・スタッフ

「ギネスビール」の色の濃さ(黒さ)に由来する表現です。

I would like a pint of the black stuff.
「ギネスビールをパイントで!」

bucketing down|バケティング・ダウン

「強い雨」や「土砂降り」を表す表現。Bucket は「バケツ」という意味なので、バケツに入った水が降ってきているようなイメージですね。

It’s bucketing down outside.
「外、かなり雨降ってるよ」

fair play|フェアプレー

Fair play は通常「公正な扱いや行為」という意味合いを持ち、例えばスポーツでは、ルールを守ったフェアな試合を指します。

しかしアイルランドやイギリスでは、誰かが賞賛に値することをしたとき、あるいはその状況下で正しいことをしたときの「承認表現」として使われることが多いのです。

「Well done!」や 「Good job!」に相当します。日本語でいうと、「さすがだね!」または「よくやった」といった感じでしょう。

Yours was the only idea that our boss liked. Fair play to you, Eileen!
「ボスが気に入ったのは、あなたのアイデアだけだった。さすがだね、アイリーン!」

gas|ガス

「おもしろい」を表す言葉。英語の funny と同じ感じで使うことができます!

The show was gas! The comedian was especially gas!
「ショーはかなり笑えた! コメディアンが最高におもしろかった!」

gawk|ゴーク

失礼なほどガン見する」という意味。アイルランドだけではなく、アメリカなどほかの英語圏でも使う表現ですよ。

Stop gawking at her.
「彼女をガン見しないでよ、失礼だよ」

おわりに

いかがでしたか?

アイルランドは英語を話す国の一つでもあることから、興味をお持ちの方はなかにはいるかと思います。

英語といえばアメリカやイギリスを想像するかもしれませんが、アイルランドのように独自の表現やスラングがある国もあって、おもしろいですよね。

ぜひ、いつかアイルランドに行く機会があれば、アイルランドの人たちが使う表現に注目してみてくださいね!