vntkg英会話ブログ編集部
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近頃日本でも、ハロウィーンの後にはクリスマスの飾りつけがはじまりますね。ロンドンでも、12月の上旬にはイルミネーションの点灯式がおこなわれ、街にはクリスマス気分が漂いはじめます。
今回は、本場ヨーロッパの、イギリス流クリスマスをご紹介します。現地の人たちはどのようにクリスマスを過ごしているのでしょうか。
街が浮き足立つ12月、家のなかもまたクリスマス一色。どこの家も家族総出で飾りつけをしはじめます。下は2016年の12月にケンブリッジでホームステイしていたお宅の写真です。
クリスマス・ツリーには、その家庭それぞれの色がでます。飾られるオーナメントは、長年かけて家族が旅先などで買い求めたもの、もらったものなど。眺めているだけでわくわくしてきます。
そして、天井からはヤドリギの枝を吊るします。これは欧米の習慣で、この枝の下に立った2人はキスをしていいとか! カナダの有名なポップアーティスト、ジャスティン・ビーバーも「Mistletoe(ヤドリギ)」という曲を作っていますし、アメリカを代表するシンガー、マライヤ・キャリーの「All I Want for Christmas is You(邦題:恋人たちのクリスマス)」にもヤドリギが出てきます。
12月に入るとクリスマス・カードもパラパラ届きはじめます。だいたいはリビングに並べるのが風習ですが、上の写真(左)のように、つなげてドアに飾るアイディアはなかなか素敵だなと思いました。
そして11〜12月くらいから、家族、親戚、友人に贈るクリスマス・プレゼントを少しずつ用意していきます。イヴに買い出しする人も多いようです。
ヨーロッパのクリスマスといえば、みんな教会を訪れ祈りを捧げるというイメージがあるかもしれません。
実はイギリスでは、成人の過半数が無宗教だそうです。そのため、クリスマス当日も教会のミサに行く人も最近は少なくなっているようです。
一般的には、13時ころから親族が集まってパーティーが開催されます。お昼ですが、主要な食事なので「クリスマス・ディナー」と呼ぶそうです。
料理はロースト・ターキー、ベーコンで巻かれたソーセージ、芽キャベツやニンジンのロースト、ドライフルーツが入ったケーキなど、ここぞとばかりにごちそうが並びます。
席に着いたら両サイドを引っ張る紙筒タイプのクラッカーを隣の人と引っ張り合います。なかにはカラフルな紙の冠が入っていて、それを頭に乗せて食事をします。クラッカーには、ジョークが書かれた紙や、知恵の輪など小さなおもちゃが入っていることも。なんともかわいらしいですね。高級デパートのハロッズなどのクラッカーは値段が高い分、中身も豪華なものが入っているそうですよ。
15時にはエリザベス女王のスピーチがはじまるので一家でテレビに集中します。
また、事前に用意していたクリスマス・プレゼントを交換し合ったり、モノポリーなどボードゲームをしたりして大人も子どもも盛り上がります。
イギリスのクリスマスは、日本のお正月のようなものです。一族で集まってごちそうを食べ続けるところもそうですし、実はクリスマス・プレゼントはなかば義務のようなところがあるので、大人へのお歳暮と子どもへのお年玉といったところでしょうか。
それでは、家から出てクリスマスの街歩きをしつつ、名所を案内しましょう。
街のイルミネーションは、街歩きの気分を盛り上げます。
こちらは主要ターミナル駅のひとつ、セント・パンクラス駅のクリスマスツリーです。大きく華やかで、この時期には連日多くの観光客が訪れます。
テムズ川の南岸であるサウスバンクには、ツリーがいくつも連なり、GINの瓶が飾られていたりとユニークです。
最も賑やかなエリアであるピカデリー・サーカス近くのリージェント・ストリートでは、たくさんの天使が舞っています。結構大きな天使で、実際見るとインパクトがあります。
300軒以上の店舗が並び、ヨーロッパで最も人通りが多いと言われるオックスフォード・ストリートは、ノスタルジックなかんじ。こういった照明は、イタリアのシチリア島でもよくみかけました。
こちらは、お買い物スポットであるコヴェント・ガーデン近くのもの。ユニークな模様が印象的です。
イギリスを代表する老舗百貨店リバティーの外観には、さり気なくツリーが並んでいます。
そしてなんといっても、イルミネーションを大いに楽しめるのが、ロンドンの冬の風物詩と言われる「ウィンター・ワンダーランド」です!
ウィンター・ワンダーランドは、ハイド・パークで開かれる、移動遊園地やスケートリンク、クリスマスショー、クリスマス・マーケットなどが集められた期間限定のテーマパークです。
アトラクションも建物も、夜は鮮やかな光で彩られていて、日本のクリスマスシーズンのイルミネーションイベント、神戸ルミナリエを彷彿とさせるような豪華絢爛なゲートもあり、光の世界を味わえます。
ウィンター・ワンダーランドの豪華絢爛なゲート
ウィンター・ワンダーランドのあるハイド・パークからほど近いところにある、自然史博物館のスケートリンクも有名です。中央にクリスマスツリーがあり、夜にすべるのがおすすめです。実はこのツリーの背後にはメリーゴーランドがあります。
街の豪華なイルミネーションを楽しんだら、クリスマス・マーケットを覗いてみましょう。
こちらはロンドンNo.1との呼び声も高いウィンター・マーケット。先ほどクリスマス・ツリーが連なるスポットとしてご紹介した、サウスバンク(テムズ川の南岸)に山小屋風の店舗が並びます。
モルド・ワイン(ホット・ワイン)がないとはじまらない、と行列をつくる人々。
仲良しのフランス人スタッフによる、フランス風ラクレットも美味しそう! 大きなチーズの塊をあたため、とろとろしてきたところをパンにかけていただきます。
小物はキャンドルやライトのお店が多いです。
こちらは押し花を閉じ込めたアクセサリー屋さん。
夕方から混み始めますが、やはり16時以降の暗くなってからが雰囲気が出ますね。
ほかにも、ロンドンではありとあらゆるイベントが企画されています。お気に入りのイベントを見つけてみてくださいね。
イヴには、小説『二都物語』の著者であるチャールズ・ディケンズの足跡をたどるウォーキングが開催されます。以前参加した人によると、数百人は参加していて、なかなか盛況だったとのことです。
こちらはウィリアム王子とキャサリン妃の結婚式も執り行われた、かの有名なウェスト・ミンスター寺院のイベント。夕べの祈りということで、午後3時から、寺院のコーラス隊のクリスマス・コーラスが聴けるそうです。
最後に、クリスマスを上手に楽しむための注意点を。
当日は、全面的に公共交通機関が止まるので要注意です。地下鉄もバスも動きません。割増料金のタクシーだけが動いています。自家用車も走っていますが、クリスマスは1年で最もイギリスが静かな日なんだそう。
なお、クリスマス・イヴの20時以降は間引き運転、クリスマス翌日にあたるボクシングデーの26日も、地下鉄で走らない路線があったり、動いても本数が少なめだったりしますのでご注意を。
2017年クリスマスのロンドンの交通状況を確認
TRANSPORT FOR LONDON
また、クリスマス当日は基本的にお店は閉まります。昨年のクリスマス・イヴ、いつもよりはやめに閉店するスーパーに駆け込みました。店員さんたちは中東系の人が多いように見受けられましたが、翌日休みなのでテンションが上がっているのがよくわかりました。「まもなく閉店しまーす!」とご機嫌だったのが印象的でした(笑)。
なお、非キリスト教である、トルコ系などのスーパーやレストランなどは開いていますので、まったく不便というわけではありませんのでご安心を。
「1年で最も静かな日」であるイギリスのクリスマス。その静けさも含め、現地で味わってみると、特別な思い出になりそうですね。ロンドンに留学中の方も旅行中の方も、イギリスのクリスマスを楽しんでください。