カナダの幼児教育に必要な資格や保育士になるまでの流れを解説

カナダで保育士として働くには、現地で働ける英語力と保育士の資格が必要で、各州が認定している学校に留学して取得します。

この資格を取得したいと考えていても「カナダにはどんな保育士資格があるの?」「どの学校に留学すればいいの?」など気になることは多いと思います。

今回は、カナダで保育士として働くために必要な資格と、英語力や育児教育経験がない状態からカナダで保育士として働くまでの手順を解説します。

カナダの保育士資格

カナダの保育士の資格は、「保育士」「保育士アシスタント」の2つに分かれ、どちらの資格を取得する場合も州が認定している大学やカレッジの保育士コースを受講しなければいけません。保育士コースを修了後、働く州に申請すると資格が有効になります。

日本では保育園と幼稚園の資格が分かれていますが、カナダは保育士資格があればどちらでも働けます。また、資格取得に年齢制限はなく、何歳でも取得は可能です。

カナダの保育士資格は州ごとに管理されていて、各州で取得条件は異なります。今回はバンクーバーがあるBC州(ブリティッシュコロンビア州)の保育士資格を例に解説します。

保育士アシスタント資格(ECEA)

ECEA(Early Childhood Educator Assistant)は、保育士アシスタントとして働くための資格です。保育士アシスタントの資格を持っていると、保育士(ECE)がいる職場で働けます。資格名には「アシスタント」とありますが、実際に働く際の仕事内容は保育士と変わりません。

資格は、学校の育児教育コースの該当プログラムを修了した時点で取得できます。ほとんどの学校は約4ヶ月で取得でき、保育士アシスタントとして働きながら正規の保育士資格を取得するために学校に通い続けられます。

保育士アシスタント資格は申請から5年間有効で、5年経過すると更新が必要です。

保育士資格(ECE)

ECE(Early Childhood Educator)は、正規の保育士として働ける資格で、3歳~5歳の子供を教育できます。

1年〜2年の保育士コースを修了すると資格は取得でき、有効期限は1年間と5年間の2種類あります。実務経験500時間以上で有効期限5年間の保育士資格に申請できます。

  • 有効期限1年:保育士コースを修了
  • 有効期限5年:保育士コースを修了かつ実務経験500時間以上

3歳未満の子供の教育、障がいのある子供の教育には、下記の特殊資格「乳幼児教育者資格」「特別支援教育者資格」が必要です。

乳幼児教育者資格(ITE)

ITE(Infants and Toddlers Educator)は、3歳未満の子供を教育できる特殊資格です。

保育士コースの授業に加え、学校で乳幼児教育の授業を約4ヶ月受けると取得できます。乳幼児教育者資格を取得するには、下記の条件をすべて満たす必要があります。

  • 保育士資格の取得に必要な授業を受ける
  • 5年有効の保育士資格を持っている
  • 乳幼児教育の授業を受ける

乳幼児教育者資格は申請から5年間有効、5年ごとに更新が必要です。

特別支援教育者資格(SNE)

SNE(Special Needs Educator)は、障がいのある子供をサポートできる特殊資格です。

乳幼児教育者資格と同じように、保育士コースの授業に加え、特別支援教育の授業を約4ヶ月受けると取得できます。特別支援教育者資格を取得するには、下記の条件をすべて満たす必要があります。

  • 保育士資格の取得に必要な授業を受ける
  • 5年有効の保育士資格を持っている
  • 特別支援教育の授業を受ける

特別支援教育者資格は5年間有効、5年ごとに更新が必要です。

保育士になるまでの流れ

カナダの学校は誰でも入学できるわけではなく、また保育士資格を取得してすぐに働けるわけではありません。ここからは、保育士資格を取得し、カナダで保育士として働くまでの流れを説明します。

英語を勉強する

カナダの学校に入学するためには、英語力が必要です。カナダの学校に入学する英語力の目安はTOEFL90以上(英検準1級以上)です。学校によって入学に求められる英語力は違うため、英語が苦手な方は入学基準が低い学校を選びましょう。

英語力が足りない場合、英語を学べるカナダの大学やカレッジ付属ESLコースを受講し、入学基準を満たして保育士コースへ進学する方もいます。

州に認定された大学やカレッジに通う

州に認定された幼児教育が学べる大学やカレッジに通い、保育士資格の取得条件を満たします。

5年間有効の保育士資格を取得するための実務経験は、ボランティア活動の時間も含まれます。学校の授業には、保育園や幼稚園で働く研修が用意されていて、5年間有効の保育士資格を取得するための実務経験を積めます。

州に申請して保育士資格を取得する

学校のコース修了証明書、身分証明書、無犯罪証明書など、各州が定めている書類を提出し、保育士資格を取得します。

就労ビザを申請する

保育士資格を持っていても、就労ビザを持っていなければカナダでは働けません。

学校卒業後の就労ビザは、18歳~30歳まで誰でも申請できる「ワーキングホリデービザ」、カナダが定めた大学に8ヶ月以上通学すると申請できる「ポストグラデュエートビザ」などを取得しましょう。

保育士資格は州ごとに管理される

カナダの保育士資格は州ごとに管理されています。たとえば、バンクーバーやビクトリアで働くための保育士資格を取得するには、BC州(ブリティッシュコロンビア州)が認定している学校に通う必要があります。

BC州で保育士資格を取得して他の州で働きたい場合、保育士資格の書き換えが必要です。保育士資格の書き換えは手続きが複雑なため、希望する方は保育士資格の書き換えサービスの利用をオススメします。

日本とカナダの保育士資格に互換性はある?

日本の保育士免許や幼稚園教諭免許を持っていても、カナダで保育士として働けません。ただし、日本の保育士免許と幼稚園教諭免許を、カナダの保育士資格に書き換えることはできます。

保育士免許の書き換えは、日本の大学や短大で取得した単位をカナダの機関に提出し、本来必要な単位をすでに持っていることを証明します。単位が十分であれば、カナダの保育士資格に切り替えられます。カナダの機関が「単位が不十分」と判断した場合、カナダの学校で必要な単位のみ取れます。

日本からカナダへの資格移行も手続き複雑なため、希望する方は保育士資格の書き換えサービスの利用をオススメします。

保育士資格を取得できる学校

保育士資格を取得できるブリティッシュコロンビア州の認定校は、BC州の公式サイトで確認できます。また、トロントがあるオンタリオ州の認定校は、オンタリオ州の育児教育者協会サイトで確認できます。

また、COSカナダ留学サポートデスクでは、カナダの保育留学について無料留学相談できます。カナダで保育士として働きたい方は、相談してみてはいかがでしょうか。